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アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎とは

 アレルギー性鼻炎の症状は、「鼻水」、「くしゃみ」、「鼻詰まり」が主な症状で、「ダニ」、「ペット」、「ほこり」などが原因の「通年性(一年中症状がある)アレルギー性鼻炎」と「スギ」や「ヒノキ」の花粉などが原因の「季節性(花粉飛散の時期だけ症状がある)アレルギー性鼻炎(花粉症)」に分けられます。

 10〜20歳代の若年層ではダニによる通年性アレルギー性鼻炎が多く、30〜50歳代では季節性アレルギー性鼻炎が多くなります。その季節性アレルギー性鼻炎のなかにも、スギ花粉やヒノキ花粉などの原因で起こる春季アレルギー性鼻炎、ブタクサやヨモギなどの原因で起こる夏季アレルギー性鼻炎、カモガヤやイネ科の雑草などの原因で起こる秋季アレルギー性鼻炎などもあります。

 2019年の日本耳鼻咽喉科学会の調査では、アレルギー性鼻炎の有病率が49.2%と日本人の二人に一人がアレルギー性鼻炎と言う結果が報告されました。(花粉症全体では42.5%、スギ花粉は38.8%、通年性アレルギー性鼻炎は24.5%)(日本耳鼻咽喉科学会会報 2020 年 123 巻 6 号 p.485-490)

治療について

 抗原の回避・除去

ダニ
ぬいぐるみを寝室に持ち込まない、部屋の清掃、除湿、寝具類の洗濯、抗ダニ布団カバーの使用など
ペット
飼育を止めるか屋外で飼い、寝室に入れないなど
花粉
外出時にはマスク、メガネを装着し、帰宅時には室内へ花粉を持ち込まないよう対策し(自分だけでなくペットも)、うがい、洗眼、鼻の洗浄、室内の加湿、空気清浄機の使用など

薬物療法

  • 重症度と病型(くしゃみ・鼻水型、鼻詰まり型)に応じて抗ヒスタミン薬の飲み薬や点鼻ステロイド薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬などで治療されます。

手術療法

  • 鼻粘膜の電気・レーザー凝固術、下鼻甲介や鼻中隔矯正手術、後鼻神経切断術などがあります。

免疫療法

 免疫療法(アレルゲン免疫療法)は、減感作療法とも呼ばれていましたが、原因となる物質(アレルゲン、抗原)を体内に少しずつ取り入れて、身体を徐々に慣らしていく治療法です。2014年から舌下免疫療法と言う新しい治療が出来るようになりました。治療は数年かかる根気の要るものですが、スギ花粉症とダニのアレルギー症状を根本的になおすことが出来る唯一の治療法です。

舌下免疫療法について

舌下免疫療法の良いところ

  • およそ80%の方に効果がある
  • 根治が期待できる
  • 自宅で治療できる(注射や頻繁な通院は不要)
  • これまでの薬物療法による副作用に悩まされなくてよい

舌下免疫療法で注意が必要なこと

  • 治療期間に数年(3〜5年)かかる
  • 約2割の方には効果がない
  • スギ花粉の場合、2月〜5月は治療を始められない
  • 副作用が現れる可能性がある
  • 年齢制限がある(5歳未満、66歳以上は不可)
  • 健康状態の制限がある(重い喘息、がん、免疫系の病気がある方)

参考サイト

 効果や効果が出る仕組み、リスクや具体的な治療イメージなど、下記サイトに有益な情報がありますので、是非ご覧ください。

[ 鳥居薬品株式会社 ]

[ シオノギ製薬 ]

当院での治療の流れ

  1. まず外来にて治療が可能かどうか確認します。(スギ花粉やダニアレルギーか?、治療中の病気や薬の内容の確認等々)また、次回の受診日も予約します。
  2. 治療可能な場合、初めてのお薬は病院内で服用します。
  3. はじめの7日間は少ない量で体を慣らし、8日目に受診の上、量を増やし、2週間後に再診して問題がなければ、それ以降は4週に一回受診し、1日1回分を舌下し、これを3~5年間継続します。