アナフィラキシー」ってご存じですか?
重篤なアレルギー反応
「アナフィラキシー」とは、短時間で全身に激しい症状が出現するアレルギー反応のことです。特に重症な場合は、ハチ毒、食物、薬物などで、急性アレルギー反応のために、呼吸困難や血圧低下などの全身症状がみられる「アナフィラキシーショック」(生命の危険がある状態)となります。「アナフィラキシー」が疑われる場合は、直ちに救急車を要請し、医療機関を受診すべきです。
アナフィラキシーの症状
アナフィラキシーの症状は、発症後数分から数時間以内にあらわれます。主な症状は、以下のとおりです。
- 皮膚症状
- 全身におよぶ発疹、かゆみ、紅潮、唇や舌などの腫れなど
- 呼吸器症状
- 呼吸困難、ゼーゼー・ヒューヒュー(ぜん鳴)、低酸素血症など
- 循環器症状
- 血圧低下など
- 神経症状
- 意識障害など
- 消化器症状
- 腹部の強い痛み、嘔吐など
これらの症状が複数同時にあらわれるのが特徴です。また、アナフィラキシーの症状は、アレルゲンへの暴露量によっても異なります。少量のアレルゲンで発症する人もあれば、大量のアレルゲンでも発症しない人もいます。また、アレルゲンの種類によっても異なり、薬物や蜂毒は直接体内に入るため早期に症状が出る傾向があり、食べ物は消化されてから症状が出るため薬物や蜂毒より遅れて症状が出る傾向があります。
アナフィラキシーの原因
アナフィラキシーの原因となるアレルゲンは、以下のとおりです。
- 食物
- 鶏卵、小麦、そば、ピーナッツなど
- 薬剤
- 造影剤、抗菌薬、抗腫瘍薬、局所麻酔薬など
- 昆虫毒
- スズメバチ、アシナガバチなど
- その他
- ラテックス、クラゲ、ヘビ、ハムスターなど
アナフィラキシーの原因となるアレルゲンは、個人によって異なります。一度アナフィラキシーを発症したことがある人は、その原因となるアレルゲンを再び摂取したり、接触したりすると、再発する可能性があります。
エピペンについて
エピペンは、「アナフィラキシー」発現時の緊急補助治療剤として、2011年から保険適応となりました。
「アナフィラキシー」の多くは医療機関とは別の場所で起こります。症状が出現してから数分で重篤となることがあるため、病院に到着する前に治療を開始することが肝要です。エピペンの効果は注射後15分程度で消えていきますので、エピペンを使用しても、直ちに医療機関を受診してください。
当院では、エピペンを取り扱っています。処方を受けられるのは、「アナフィラキシー」の既往のある方、または、「アナフィラキシー」を発現する危険性の高い方に限られます。
参考サイト
エピペンサイト( https://www.epipen.jp/ )
アレルギーポータル( https://allergyportal.jp/knowledge/anaphylaxis/ )