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かぜ

「かぜ」とは

 「かぜ」は正式には「かぜ症候群」と言い、上気道(鼻腔〜喉頭)の急性炎症の総称です。一般的にはウイルスが粘膜から感染して炎症を起こすため、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、のどの痛み、咳、痰、発熱などの症状を呈し、小児から老人まで幅広くかかる病気です。通常2〜3日で症状がピークになり、1週間程度で自然に治っていきます。体調によっては気管支炎や肺炎に進展することがあるので、高熱が続く場合などは注意が必要です。

かぜ症候群の原因

 かぜ症候群の原因は80%以上がウイルス感染です。かぜ症候群を引き起こすウイルスは、数百種類以上あるとされています。そのうち、最も多くみられるのがライノウイルスです。

 ライノウイルスは鼻やのどの粘膜に感染して炎症を引き起こします。その結果、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、のどの痛みなどの症状を起こします。その他にも、インフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、パラインフルエンザウイルス、エンテロウイルス、ヘルパンギーナウイルス、単純ヘルペスウイルスなど、さまざまなウイルスがかぜ症候群を引き起こす原因となります。稀にはマイコプラズマやクラミドフィラなどの非定型病原体やその他の細菌が原因になることもあります。

かぜ症候群の診断

 鼻症状(鼻水や鼻詰まり)、のどの痛み、咳と言った症状が、いずれも同じ位の強さで、あまり重篤でない場合にかぜ症候群と診断されます。原因ウイルスが数百種類以上あるうえ、同じウイルスでも多くの型があり、それが年々変異することから、どのウイルスが原因かを同定することは一部のウイルスを除いて困難です。(インフルエンザウイルスなど、迅速抗原検査が出来るものは同定可能です。)

かぜ症候群の治療

 かぜ症候群の治療には、インフルエンザウイルスなどを除いて、原因に直接作用する薬物がないため、基本的に対症療法(症状を緩和して、体力を回復させること)が主なアプローチとなります。

自宅で行える基本的なケア

十分な休息
十分な睡眠と休息が重要です。体力を回復させるためには、十分な休養が必要です。
水分補給
豊富な水分を摂ることで脱水を防ぎ、のどの痛みや発熱の緩和を助けます。
栄養バランス
栄養価の高い食事を摂ることで免疫力をサポートし、早期回復を助けます。

 薬物療法

発熱、頭痛・頭重感
アセトアミノフェンなどの消炎・解熱・鎮痛薬
くしゃみや鼻水
抗ヒスタミン薬や鼻炎薬
鼻詰まり
鼻炎薬や鼻吸入薬
のどの痛み
消炎・解熱・鎮痛薬、トローチ、トラネキサム酸
鎮咳薬や去痰薬

細菌の2次感染を疑う場合は短期間の抗菌薬が処方されることもあります。

かぜ症候群の予防

 かぜ症候群の予防には、以下の方法が有効です。

  • 予防接種を受ける
  • 手洗い・うがいの励行
  • マスクの着用
  • 人混みを避ける
  • 十分な睡眠と栄養をとる

まとめ

 かぜ症候群はウイルス感染によって引き起こされる一般的な病気です。通常は数日で治りますが、重症化する場合もあるので、注意が必要です。

 かぜ症候群の予防には、手洗い・うがいの励行、マスクの着用、人混みを避ける、十分な睡眠と栄養をとることなどが有効です。